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鐘馗さん作り体験 淺田製瓦工場

2022/10/25

読者の皆さん こんにちは。

淺田製瓦工場を訪問し、京瓦職人の淺田晶久さんからのお話を聞いた後、いよいよ京瓦「鍾馗(しょうき)さん」を作ってみることにしました。

 甘く見てはいけませんよ!それが意外と簡単じゃないんです。

 鍾馗さんは以前にもご紹介したように、家の入り口や屋根の上に立って、その家の住人を護ってくれます。その役割は沖縄でも良く見られる「シーサー」と同じで、魔除け・疫病除け・火事除けです。普段はなかなか近くで見ることができないのですが、淺田瓦の工場見学や鍾馗さん作りの体験では実際にそれを手にすることができます。

 簡単ではないんですが、でも心配は無用です。淺田さんに鍾馗さん一体(柱)を用意していただき焼成の仕方を教えていただけ、ずっと指導・サポートしてくださいます。(英語は話されないので説明を聞くための通訳の手配はお忘れなく!)。2体(柱)の内、出来の良い方を焼成することになります。

 まず、鍾馗さんの石膏型2箇に瓦の粘土を厚く盛り込む必要があります。難しいのは、親指を布でくるんでくぼみや溝を優しく、しかししっかりと均等に粘土を埋めていくところです。ふたつの鋳型に粘土を詰め込むと、それぞれプレスしながら合体させます。

鐘馗さんを鋳型から外すと、金属製のヘラで磨いて、2つのパーツが接合されていた部分の余分な線をきれいに揃えます。さらに、屋根に取り付けるために、鐘馗さんの裏側に穴を開けて針金を通せるようにしておくことも忘れないようにしましょう。

鍾馗さんは最後に水を含ませた刷毛で滑らかにしますが、これが京瓦の土の特有である銀色の光沢を出すために必要な工程となります。

その後は淺田さんに鍾馗さんを窯で焼いてもらい、およそ1ヵ月後に送っていただくという流れになります。(送料は別途必要です。)

京瓦のことをもっと知りたい、工場を訪れたいという方は、こちらから体験のご予約をお願いします。

こちら☞ 浅田製瓦工場

文・写真提供:ブルカヴェツ・アナスタシア (ArigatoCreative.co/jp)

 編集・翻訳:京都伝統産業ミュージアム 佐藤裕