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森益染絞 森本 染絞り体験

2022/08/30

読者のみなさん。

 それではお約束の「森益染絞 森本」での体験記をご紹介させていただきます。縫い締め絞りの体験」「板締め絞り」ができ、どちらも1時間半ほどで仕上がります。今回は、両方を体験して比較してみました。

「縫締め(くくり)絞り」は、白いハンカチ生地に専用の消える青花ペンで模様を付け、丈夫な糸で縛ってから染料に浸すという技法です。一見簡単なようで、意外と熟練の技と時間を要するのがこの結び方の特徴です。柄の部分それぞれに糸を使い(例えば、蝶の柄は6本の糸を使用)、テーブルに取り付けた専用道具を使ってしっかりと結びつけなければなりません。

 「板締め絞り」は、白いハンカチ生地を折りたたんで、木の板で挟み、幾何学模様を繰り返し描いていく、比較的簡単にできる方法です。実際にはいくつかの色の選択が可能ですが、(今回は紫で)最初に染料に浸した後、布を別の方法で留め(締め)直すと、濃淡の色合いが違う模様が浮かびあがってきます。

 出来上がりはとてもいい感じに仕上がりました。染め上がった生地は、丁寧にスチームアイロンで無駄なシワを取って、染料を定着させます。

 染絞りに初めて挑戦したことで、染絞り職人さんへの尊敬の念はより一層強くなりました。と言うのも、鹿の子絞りの世界では、製品ごとに結び方が異なるため、結果、同じ人がそれぞれの手法で結ばなければならないことが解ったからです。

 また体調や メンタル面の変化も作品に反映されますから、染絞り職人は体調管理にも気を配りながら、心を穏やかに制作に臨んでおられます。もしかしたら、これは新たな職人さんの心の境地を見つけたのかもしれませんね。

 京都の伝統的な染め絞り体験してみたいという方は、こちらからご予約ください。

 👉 森益染絞 森本  京鹿の子絞

文・写真提供:ブルカヴェツ・アナスタシア (ArigatoCreative.co/jp)

編集・翻訳:佐藤裕(京都伝統産業ミュージアム)