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工房訪問 樂焼 伝統工芸士 吉村楽入

2022/04/26

読者の皆さん こんにちは。

今回は日本でも数少ない樂焼の窯元・吉村楽入の工房訪問記事をご紹介します。樂焼は16世紀、茶人・千利休の要請、指導のもとで生まれた技術で、千利休の「侘茶」の思想・美意識が濃厚にうかがえ、美学に基づく茶の湯の様式を洗練させました。樂焼は、将に千利休が追い求めていたそのものであり、轆轤(ろくろ)を使わず、すべて手作業で成形される陶磁器は、まさに作り手の個性と魂が表現されるひとつひとつが傑作と言えます。

吉村楽入は3代目のご当主となります。現当主の祖父は砥石製造に携わり、趣味として楽焼を楽しんでおられましたが、戦後の需要増に応える形で、「樂茶碗」造りを本格的に取り組むようになりました。伝統的に樂焼の技法は茶道用の茶碗にしか使われていなかったが、現当主は、樂焼の用途を様々な茶器に広げた父の仕事を引き継ぎ、更にデザインコラボレーションや京都の高級ホテルの内装タイルの制作を引き受けるなど、独特の樂焼の実験的な試みにも挑戦されています。

樂焼の技法に興味があり、実際に手を動かしてみたいという方には、吉村楽入の陶芸教室があります。酒器作り体験、茶碗作り体験、そして時間に余裕があり、ゆっくりとしたペースでじっくりと体験したい方には、1日コースもお勧めです。京都工房コンシェルジュでは、このような樂焼の制作体験、世界を間近に見ることができるのは他にはないだろうと考えています。

吉村楽入の工房を訪れ、楽焼の技法を体験する予定の方は、こちらからご予約ください:https://www.kyotoartisans.jp/contact

文・画像:Anastasiya Bulkavets (ArigatoCreative.co)

日本語翻訳 京都伝統産業ミュージアム:佐藤裕