ブログ

工房訪問シリーズ 錦織作家 龍村周さんインタビュー

2022/03/22

龍村さんの経歴を少し教えていただけますか。どのような、きっかけで現在のお仕事を選ばれたのでしょうか?

大学では美術を学びましたが、自然に脈々と続く家業を継ぐことを決心しました。

職業・人生の歩みの中で遭遇された最も困難だったことはどのようなものでしたか?

私の学生時代からすでに職人の後継者不足、日本人の伝統文化離れ、着物離れが進んでいましたので、これらの問題を解決することが、今でも一番難しいことだと思っています。

ご自身のお仕事のどんなところに惹かれておられますか?

伝統的な織物の世界を通じて、さまざまな職種の方と出会い、さまざまな分野のことに刺激を受け、学べることに魅力を感じています。

錦織作家としてのインスピレーション・アイデアの源はどのようなものですか?

日々の暮らしに目を向けると、私たちの心を動かしてくれるもの、刺激を与えてくれるものはたくさんあると思います。

ここ2、3年続く世界中のパンデミックは、あなたの仕事や業界にどのような影響を及ぼしましたか?

コロナ感染症蔓延の影響で創作生産活動は制限され、工房でお客様をお迎えすることを続けることがとても難しくなっています。また、仲間の職人の中には廃業してしまった人もいます。とても不幸で悲しいことだと思います。

2022年以降のポストコロナの時期に向けて、読者の皆さんにどんな思いや、励ましの言葉をかけていただけますか?

私たちは織物の世界を通して「織」の様々なことを楽しんでいただき、感動を皆さんと共に共有できる場を作っていきたいと思っています。出来れば、是非とも光峯錦織工房をお訪ねいただき、実際に錦織の手織り体験を楽しんでいただければと思っています。

工芸品やデザインの愛好家の方々へ、龍村さんの作品、製品のおすすめポイントを教えていただけますか。私たちの日常の生活にどのようなプラスの刺激がご提供できるとお考えですか?

私たちがつくる絹の錦織は、蚕や桑の葉・木といった自然からの恵みからつくられています。また、私は機を織る時に出る音は、人の心も同時に和ませてくれる音だと思っています。絹糸の輝きによって、自然にさまざまに変化していく錦織の美しさをぜひとも楽しんでいただければと願っています。

京都への訪問の機会があり、錦織の工房見学・体験をご希望の方はこちらからご予約ください。https://www.kyotoartisans.jp/285

インタビュー・写真提供 : Anastasiya Bulkavets (ArigatoCreative.co)

日本語翻訳 : 京都伝統産業ミュージアム 佐藤裕