ブログ

「京こま」究極の工房訪問 「雀休 (じゃっきゅう)」

2023/01/17

読者の皆さん

 京都は他では見られない多くの文化の宝庫であり、そのなかには地域のものづくりの最後の砦となるものがあります。「京こま」「雀休(じゃっきゅう)」もその一つです。

 「京こま」は着物の生地や木綿の糸を竹の棒に巻きつけて作る京都の伝統工芸品です。「京こま」の文化は御所から始まり、何世紀にもわたって京都に存在していました。しかし、現代の生活や娯楽の好みの変化により「京こま」の工房は次々と姿を消してしまいました。

 日本では独楽(こま)は縁起が良いとされ、子どもから大人にまで親しまれています。特にお正月に遊ぶと、幸運を呼び、物事がスムーズに進み(回転し)、調和と繁栄を呼び込むと信じられています。真ん中の一本の棒は人間の心の核となる真実を象徴しており、願いも叶えてくれます。

 店内の見学が終わった後は自分だけの「こま」を作ることができます。たくさんのサンプルの中から7色の平らな紐を選び、漆塗りの棒に一本一本巻きつけていきます。簡単そうに見えますが、指から紐がはずれやすいので、根気よく続けることが大切です。工房のご当主中村さんにずっとサポートいただけますし、必要であれば紐を巻き取れるように手助けもお願いできます。

 最後の紐を張り終えたら、中村さんに先端の形を整えて、最適な回転が得られるように整形をしてもらいます。この後、コマを補強し、形を保つためにコーティング剤を塗り、数分乾燥させます。

 そこでその間に「京こま」伝統工芸士である中村さんにこの事業を始めたきっかけを聞いてみることにしました。サラリーマンだった中村さんは、家業であった「京こま」の職人(3代目)を復活させようと思い、会社を辞めて「こま」を作り始めたそうです。その勇気と決断力がなければ、京都に「こま」の職人は一人も残っていなかったことでしょう。

 一方で、糸を巻くという作業は単調に見えるかもしれませんが、中村さんは根気よく独創的な方法で「京こま」の楽しさを現代の暮らしの中に取り入れています。伝統的な「こま」のほか、髪飾りやアクセサリーなどの雑貨、「京こま」の製造技術を生かしたユニークなコラボ作品など、その道のプロが作る「京こま」の数々の商品がお店に並んでいます。

 工房訪問と「京こま」について興味をお持ちの方はこちらから体験のご予約をお願いします。☞「雀休

文・写真提供:ブルカヴェツ・アナスタシア (ArigatoCreative.co/jp)

翻訳・編集:京都伝統産業ミュージアム 佐藤裕